中性脂肪を下げる食品とは?本当にさば缶でok?
職場の健康診断の際、中性脂肪が高いと言われたことは
ありませんか?
血液に含まれているTG値(TAGまたはTrig)が正常値を
超えてくると、様々な病気になってしまうリスクが
高くなることを意味するとても重要な血液脂質成分です。
TG値が上がる原因は個々において様々ですが、偏った食生活や
運動不足が原因と言われています。
脂っこいものを好んで食べたり、お酒を飲み過ぎたり、体を
動かすことが苦手な人は、若い人でも中性脂肪が高くなってしまう
傾向にあります。
一旦上がってしまった中性脂肪を正常値に戻すには、今一度
生活習慣全般を見直す必要があるのですが、そう簡単にはいかない
場合もあると思います。
コンビニ弁当や外食が多い人、或いは子どもが喜ぶ肉中心の料理を
食べなければいけない家庭では、奥さんが中性脂肪を下げる献立を
特別に考えてもらわなければ、なかなか正常値に戻すことは
難しいと思います。
そこで、中性脂肪を下げるのに良いとされ、今注目されている
食品の一つに「さば缶」があります。
さばの味噌煮や水煮などの缶詰は、どこにでも売られているとても
手軽な加工食品で今脚光を浴びているのですが、なぜさば缶が
中性脂肪を下げる効果があるのか解説していきますが、その前に、
中性脂肪やコレステロールに関する知識を最初に理解することを
おすすめします。
このページの目次
何故中性脂肪が高くなってしまうのか
遺伝的要因もあるとされていますが、一般的には食べ過ぎと運動不足が主な原因と言われています。
毎日の食事が偏っていて、特に肉や脂っこいものを良く好んで
食べる人や晩酌を欠かさない人は要注意です。
自分の1日に必要な摂取カロリー量が基準値を超えている場合で、
特に日頃の運動量が足りない人は、カロリーコントロールも視野に
入れた食生活が必要になります。
中性脂肪とコレステロールの違いは何?
血液中に含まれる脂分には、主なものとして中性脂肪とコレステロールがあります。
これらは、無くてはならない大切な成分なのですが、多すぎると
血管の壁に付着して血栓や動脈硬化を引き起こします。
中性脂肪の役割
・予備エネルギー(体脂肪)・体温調節
・皮下脂肪に蓄積して体を保護
コレステロールの役割
・細胞膜の原料・ホルモンの原料
・胆汁酸の原料
中性脂肪が高いとどんな病気になってしまう?
食べ物の中に含まれている脂肪分の摂取と、肝臓などで作られるコレステロールの割合は約3:7と言われています。
主に肝臓で作られたコレステロールには2種類の物質があって、
一つはLDL(悪玉)、もう一つはHDL(善玉)と呼ばれ、それぞれに
重要な役割が与えられています。
・LDL・・肝臓で作られたコレステロールを血管や各組織の細胞に運ぶ
役割を持つ
・HDL・・余ったコレステロールを回収して肝臓に持ち帰る役割を持つ
これら2つの物質の内、動脈硬化による様々な病気を引き起こす
LDLが多い人は、HDLも増やすか両方共減らす必要があります。
また、毎日の食事による脂肪分が過剰摂取されることで、血液中に
中性脂肪が増えすぎると善玉のHDLが減ったり、その反対である
LDLが増えやすくなってしまい、その結果、肥満や脂肪肝、糖尿病などの
病気になってしまう可能性がとても高くなります。
最悪の場合は、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症、大動脈瘤など命に
かかわる重病も併発する恐れがでてきます。
つまり、LDLとHDLのバランスがとても大切であると言えます。
何故さば缶が中性脂肪を下げるの?
最近ダイエットにも効果があるとの口コミで、さば缶がスーパーなどの商品棚から消えて品薄状態にあります。
各食品加工メーカーが「さばの味噌煮」や「さばの水煮」などの
缶詰を販売していますが、何故さば缶がここまで注目されて
いるのか説明します。
青背の魚(青魚)全般に言えることなのですが、これらの魚の中に
含まれている脂肪酸に、EPA又はIPA(イコサペンタエン酸)や
DHA(ドコサヘキサエン酸)という物質があります。
これらの成分が、血液中の中性脂肪を減らすと同時にLDL(悪玉)
コレステロールも減らす効果があると広く知れ渡った事で、手軽で
美味しい味付けがされたさばの缶詰をまとめ買いする人が
多くなった事によるものと推測できます。
このEPAやDHAは、数ある脂肪酸の多価不飽和脂肪酸に分類され、
その中でも「n-3系」に属し血液をサラサラにする働きがあります。
特にさばには、EPAがどの魚よりも多く含まれているので、
たちまち人気の的となりました。
それぞれが持つ効果を以下にまとめました。
EPAの効果
・血液サラサラ効果・血管年齢を若く保つ
・持久力の向上
・抗炎症作用
・抗アレルギー効果
・精神安定効果
・眼精疲労抑制効果
・肌の潤い効果
DHAの効果
・脳の発達・視神経の発達
DHAのこれから期待される効果として
・認知症改善
・うつ病
・動体視力向上
EPAやDHAの1日に必要な摂取量は
いくら健康に良いからと言って1度に過剰摂取しても、三日坊主では中性脂肪を下げることは難しいです。
厚生労働省では、EPAやDHAを推奨健康摂取食品に選定し、
1日当たり両方併せて1g、魚においては90g程度食べるのが適量と
定められています。
過剰摂取の場合のリスクとして、男性特有の前立腺がんがあるのと
出血の際、血液凝固作用を抑制してしまうなど副作用もあると
されていますので、摂取基準を守るように心がけましょう。
さば缶に含まれるEPAの含有量はどの位?
さば缶の内容量はおよそ200gあります。その中に含まれているEPAとDHAは以下の通りです。
・EPA・・約1.4g~3g
・DHA・・約2g~4.7g
1日当たり、缶詰を半分食べることで十分必要量が摂取できます。
さば缶以外で中性脂肪を下げる食品
さばのアレルギーがあるので食べるのが無理と言う方もいると思います。
さば以外にもEPAを多く含んでいる魚もありますし、身近な
食品にも、EPAやDHAと同じような働きを持つ脂肪酸を含んだ
食品がありますのでそれらを摂取すると良いでしょう。
どうしても魚が苦手だと言う方におすすめです。
さば以外でEPAを含んだ魚
・本マグロ(トロ)・きんき
・はまち
・ぶり
・さんま
・いわし(まいわし)
・うなぎ
これらの魚にもEPAやDHAが多く含まれています。
LDL(悪玉コレステロール)のみを下げる食品
オレイン酸に分類される食品が有効です。・オリーブ油
・キャノーラ油
・アボガド
・アーモンド
LDLとHDLの両方を下げる食品
n-6系リノール酸に分類される食品で、過剰摂取するとHDL(善玉コレステロール)も一緒に下げてしまいます。
しかし、LDL悪玉コレステロールを下げる効果があるのと、一番
ポピュラーな食品なので、日常の食事において適量であれば
有効とされる分類に属します。
・サラダ油
・コーン油
・米ぬか油
・ごま油
・大豆油
・くるみ
EPA、DHAに極めて近い食品
n-3系αリノレン酸に分類される食品で、血液の流れを良くする働きがあり血栓予防に有効です。
・えごま油(しそ油)
中性脂肪の値が高くなってしまうと、下げるのは容易なことでは
ありません。
普段の食生活や生活習慣を見直し、さばの缶詰を食べることも
視野に入れる事で、簡単に中性脂肪を下げる成分を取り入れる
ことが出来ますので是非試して頂きたいと思います。
また、EPAやDHAなどの成分を含んだサプリメントも
販売されていますので、食事がどうしても偏ってしまう方には
効果が期待できますが、毎日の食事で摂取することが一番の
理想と言えますね。
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